No.228 妊娠7カ月から産後に続く恥骨の痛み 33歳 初産

症状

妊娠7カ月から恥骨が痛み出した。お産後も痛みは続いているため来院。 くしゃみ・立位で片足をあげる動作で強い痛み。 分娩は、自然分娩の途中で帝王切開となった。そのため産後1カ月は寝たきりの状態が続き筋力が低下したのではないかと思っている。最近は子供の抱っこで肩こり・腰痛も気になる。

分析

姿勢検査では、腹部を突出、股関節を外旋させた妊婦特有の姿勢での歩行。産後にもかかわらずこの癖が消えないでいたため左右短内転筋・腹直筋が過剰に伸張性の緊張を起こしている。これらの筋は恥骨に付着する。妊娠時のリラキシン(ホルモン)の作用で恥骨結合や骨盤周辺の靭帯、骨盤底筋群が緩み、短内転筋・腹直筋の過剰な緊張の影響を受け恥骨結合に歪みが生じ痛みを出現させていると考えられる。

施術

治療では、まず伸張性の緊張を起こしている大腿部内転筋群と腹部に収縮性を出し、過剰に収縮性の緊張を起こしている腰部と梨状筋(臀部)に関しては柔軟性を回復させる。その上で骨盤の矯正を行う。骨盤底筋の強化のためのエクササイズと癖にしてしまっている立ち方と歩き方を改善してもらい、約5回目の治療では症状はほぼ消失した。

妊娠時はリラキシン(ホルモン)の作用から骨盤周りの筋肉、靱帯は緩むことから非常に歪みやすい状態と言えます。産後は骨盤体操などみなさんケアされていますが、産前から骨盤を整え、筋肉のバランスを整えることが最大の予防であり、なによりも安産への近道であると考えます。

【ブログ】
子育て、出産、妊娠、その前に……
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