No.186 運動(サッカー)後のハムストリングの痛み 26才 男性

症状

サッカー歴13年。現在も趣味で月に2~3回サッカーをしている。ここ数年は運動後に、両腿の裏側がつったように痛む。近くの整体院でマッサージとストレッチのやり方を教えてもらったが変化無し。ストレッチ強度が足りないのかと考え入念に行っているが、症状は頻繁に出現するようになったため来院。

分析

初回検査時、中殿筋・腸腰筋、そして特に大腿四頭筋の緊張が強く骨盤の前傾を伴う反り腰になっていた。 歩行時、筋活動のリズムをチェックした所、患部であるハムストリングが使えておらず運動時には同様の事が増強して起きていると考えられた。

施術

治療は、腰部から股関節と下肢の筋バランスと骨盤の歪みを調整後にハムストリングを意識できるようにエクササイズを行った。初回受診から3日後にサッカーをしたが、軽度の筋肉痛が出現した程度で症状は軽減。 計4回の治療でハムストリングに違和感も感じなく運動できるようになった。現在はパフォーマンスアップも視野に入れ治療継続中。
今回のケースでは大腿四頭筋とハムストリングの筋バランスが崩れた状態で運動をしていたという事が大きな素因として挙げられます。これはサッカーというスポーツの特性が関与しており、激しい運動量に加えて「ボールを蹴る」という行為により大腿四頭筋の使用度は高くなります。 そのため歩行やランニングでも強くなりすぎた四頭筋に対し、ハムストリングを上手く使えなくなりバランスが崩れ骨盤の歪みが増強されていきます。 特に発育期からサッカー経験のある方に多くみられます。
「筋肉が固まってしまい、つってしまうのでストレッチをした」という事も注意が必要です。「固くなって凝っている・張りが消えない・つりやすい」といった時に、ストレッチをするいうのは選択肢として浮かびやすい傾向がありますが、伸ばすのでは無く筋肉を使う事で緩和する「張り」や「固さ」があるという事はあまり知られていません。また、身体に歪みがある状態でのストレッチはやり方や部位によっては症状が悪化する可能性があります。