No.185 マッケンジー体操をした後の腰痛 38才 男性 デスクワーク

症状

右腰の痛みを訴えて来院。1年前に子供が生まれ、子供を抱っこする事が多く最近になって、腰に違和感(疲れ)が出始めた。雑誌にマッケンジー体操についての記事を見つけ、その通りに体操を行ってみた。マッケンジー体操中は腰の付け根に硬さを感じ、イタ気持ち良い位であった。翌日から、腰の違和感が痛みに変わり、前屈みじゃないといられない状態になった。 右足に体重を乗せると、右腰に痛みがあるので歩くのもぎこちない。

分析

来院時には、前屈みになり身体を左に傾けていた。身体を反らすことと、右に体重を乗せることで痛みが誘発された。感覚や筋力、反射は正常で、神経的な問題はみられなかった。整形学検査で、ケンプテスト陽性、ゲンズレンは体勢を取ることが辛かった。 トーマステストは陽性。触診では腸腰筋の緊張、右腰部起立筋の緊張、背部起立筋の緊張、四頭筋の緊張が顕著にみられた。検査の結果から、第5腰椎の右椎間関節に問題があると判断。 腰部起立筋は2次的に緊張している。また、腸腰筋の緊張がそれらの増悪要因になっている。

施術

治療ではまず、腸腰筋の緊張を取り除き、右腰部起立筋の緊張を取り除いた。この時点で、右への体重移動での痛みは無くなった。その他、崩れた姿勢により反応していた筋にアプローチ。第5腰椎右椎間関節へ矯正を行った。また、第10胸椎の後方変位がみられたので、そこも矯正を行った。治療後、姿勢は真っ直ぐになり、ほぼ痛みは消失。身体を大きくそれすと、まだ痛みは残る程度であった。3回の治療で反らした時の痛みも消失。子供を抱いた後の違和感を無くすため、継続治療中。
今回のケースは、マッケンジー体操をした後の痛みでした。今、マッケンジー体操はブームになっています。病院へ行ってマッケンジー体操をやり、それ以来痛みが強くなったり、しびれが出てきたりという方は少なくありません。マッケンジー体操は身体を反らして行う体操です。 体を反らすことで、正常な腰椎前弯を作ることが大切です。 しかし、身体の前側にある腸腰筋の緊張が強い方や、腰仙部の緊張が強い方が行うと、正常な体操が出来ていないことがあります。つまり、マッケンジー体操=万能な腰痛体操では無く、やってはいけない状態があるという事です。
カイロプラクティックではマッケンジー体操はかなり前から取り入れていますが、ケアに取り入れる場合はマッケンジー体操が適応するのか適応しないのか検査をします。体操を行う際は、自分の身体に耳を傾け、痛みを我慢して「これは効いている!!」 などと勘違いしないようにして下さい。