No.264 内股歩行(9歳男の子)の改善について

症状

9歳の男の子です。向かって左側の動画が、治療前の歩行相です。
(YouTube動画はこちらから https://youtu.be/2wyMncqo6u8)
4~5才の時から内股が気になり、整形外科にて診察してもらうが経過観察となり、その後内股歩行が悪化してきていると来院されました。
幼児期からよく転んだとのこと。内股で足が交差するため、自分の足に引っかかって転んでいたようです。ペチャンコ座りをしていた。 座っていると猫背になるとのことでした。運動神経は発達していて、スケボー、バスケ、水泳など幼少の頃から積極的に行っていたと言うことです。

分析

姿勢・歩行分析:
姿勢は、ねこ背が強く、座っているとすぐに骨盤を後傾させて丸まって座っているとのことでした。
動画分析する左足の内股が強い印象で浮き指でした。
各関節の検査 股関節・脛骨・足関節の問題と機能神経的な問題をチェックしました。
股関節の内旋が左右とも70度、右足外旋が30度、左足外旋が30度でした。
脛骨は、左右ともマイナス5度でした。足の内転足はありませんでした。
また、機能神経的な検査として固有受容覚検査と前庭眼球運動検査をしました。

施術

施術内容:
施術は、先ず、猫背が強いので、骨盤後傾の矯正を行いました。 そして脳バランステストから導き出された結果から、固有受容感覚トレーニングと前庭眼球運動を実施しました。そして自宅でのセルフトレーニングを行ってもらい2週間に一度来院してもらいました。 2ヶ月後には、体幹もしっかりし、足の交差もなくなり、内股歩行も改善傾向になりました。自宅でのセルフケアも継続してもらい、今後も脳機能神経の左右差改善・体性感覚や固有受容感覚トレーニングを継続施術してまいります。

考察:
幼少の頃から足が交差して転ぶことが多い子供が増えています。外遊びが少なくなり、バランス感覚や体性感覚が鈍くなっている気がします。公園でも怪我しそうな遊具などが取り除かれ、安全第一になっているのも影響しているのではないでしょうか?ある程度危険が伴う遊具は、子供たちの脳を刺激して、正常な機能神経ネットワークが自然に育まれるのだと思います。