No.259 鉄板のような曲がらない腰(骨盤後傾反り腰)

症状

45歳 女性 事務職
数年前より腰痛と股関節痛に悩まされる。特に産後に症状が悪化し、鍼灸や整体を試したが効果なく友人の紹介で来院する。最近は歩行で股関節も痛むようになる。前屈がほとんどできない状態である。

分析

はじめに姿勢・歩行分析を行う。姿勢は典型的な反り腰で、産後に子供の抱っこする時に腰を反っていたことも要因の一つの可能性あり。歩行レーンを歩いてもらうと、右後ろ足で地面を蹴る瞬間に右股関節に痛みを感じる。結果、足を引きずるような歩行になっている。

検査すると前屈はほとんどできず、腰がロックしたような状態で、まるで急性腰痛のような腰全体が板のような曲がり方をしていた。床から30センチのところまでしか届かない状態である。
座位では、反り腰の人によく見かける、椅子の前にチョコンと座るような座り方であった。結果、典型的な「骨盤後傾の反り腰状態」になっていた。

施術

施術は、反り腰の原因である、骨盤の後傾を矯正し、背筋を伸ばす時に腰が反らないように治療していく。骨盤底筋群・腹横筋などのコア筋群と臀筋の筋力低下が明らかで、それらの筋群の使い方指導から強化方法と上半身と下半身の連動を修復する治療計画で進めていく。

結果、1回の施術で、前屈は床まで10センチとなり、歩行での股関節痛も改善する。

考察:産後にお子さんを反り腰で長い期間抱っこしてきた女性は、特にコア筋群の低下から骨盤の後傾になりがちです。結果、反り腰になり腰部の負担が増し、重度の腰痛や股関節痛の原因になっています。この腰が鉄板のようになり曲がらない状態は、簡単にぎっくり腰を起こします。朝、顔を洗う時、靴下をはく時など、少し前屈しただけで、激痛が腰部に走る要因になります。

この骨盤後傾反り腰は一見、相反する動きに思いますが、同居しているケースが多いのです。
腰が板のように張っている方で前屈する時に腰が曲がりにくい方は、早期の施術をおすすめいたします。

KIZUカイロプラクティック 本院院長 木津直昭