No.230 首から左腕にかけての痛み 54歳 男性

症状

首から左腕にかけての痛みを訴え来院。痛みは10ヶ月ほど前から出現し、整形外科にて頚椎症性神経根症と診断を受けた。ペインクリニックにて治療を受け、症状は軽くはなったものの、首を後ろに反らせると依然痛みが現れる。

分析

初診時、整形外科検査および神経学検査では特に異常は見られなかった。頚椎症性神経根症との診断を受けたが、MRIでの画像診断の結果では著しい変性は見られないと医師からも言われたとのこと。
姿勢検査では、体が大きく右に傾き首と上半身ともに時計周りに捻れていた。また横から見た状態では、背中が丸まり肩が前方に巻き込まれ、頭も前方に突出していた。
また、更に詳しく話を聞く中で、ゴルフのテイクバック時にも同様の痛みが首から左腕に現れるとのことだった。 そこで肩の位置を修正し首を後ろに反らしてもらったところ、痛みが現れることなく可動域も大幅に改善された。また肩甲挙筋という首から肩甲骨に付着していく筋肉の触診によって、同様の痛みが再現された。

施術

検査の結果から、今回のケースでは関節や神経ではなく肩甲挙筋が痛みに深く関わっていると考えられた。姿勢の悪さやゴルフのスイングにより、この筋肉に対して繰り返し伸張される様なストレスが加わったことによりこの筋肉に問題が生じていると思われた。
施術ではまず痛みに対するアプローチとして肩甲挙筋に対して筋膜リリースを行い、背中から首の関節に対して捻れと歪みを取り除くための矯正を行った。また、自宅にて左胸の前側の筋肉(大胸筋)と肩甲挙筋のストレッチを行ってもらった。結果、3度の治療にて痛みは消失。現在は姿勢の改善とゴルフのパフォーマンスアップのため継続治療中。