No.219 料理人の肩甲骨間部痛 50代 男性

症状

フランス料理のシェフとして働いているので、毎日料理で鍋やフライパンを持つなど、左腕を使うことが多い。特に最近忙しく働き、ここ半年前より左背中(肩甲骨間部)に痛みを感じるようになる。整形外科で頚椎の牽引を週に1回とブロック注射を週に3回するが効果がなく来院。

分析

肩甲骨が、全体に挙上し前に巻き込むような状態になっていた。料理人に多い、左手で重いフライパン等を持ち右手で作業をするので左腕から肩にかけて固定するため力が入り、肩が挙がった状態で固定され、右肩甲骨は前に巻き込み、それらが肩甲骨の動きを制限させ肩甲骨間部に痛みを出現させた可能性が高い。

施術

身体全体的な軸バランスが左足中心になり、左背部から左腕にかけて筋緊張がある。その為、肩甲骨間部の胸椎4,5番に歪みを生じさせ、神経を圧迫する状態になったようである。 施術では、この胸椎への可能性と同時に左広背筋や左肩甲骨周囲筋である小円筋・大円筋・棘下筋など、そして上腕部の上腕三頭筋や三角筋の筋緊張を取り除く。(筋膜リリース)また右肩甲骨を前に固定している胸筋群のストレッチも行う。週に2度の施術から始め、3週後には、痛みや違和感は消失する。その後2週に一度メンテナンスを行い、経過は良好である。
料理人は左重心で仕事を行うことが多く、身体に偏った捻りを作りやすいようである。また重い物を扱うことも多く、筋疲労が溜まったりすると同様の症状が出ることが多いのでご自身の重心バランスを自覚することと定期的なストレッチやメンテナンスが必要である。