No.216 ヴァイオリン演奏中の手首の痛み 20代 男性

症状

3か月ほど前からヴァイオリン演奏中に左手首の痛みを訴えている。最近は痛みの程度が増してきている。整形外科でMRIを撮影したところ軽い炎症があり、腱鞘炎と言われた。湿布をはり様子を見たが、改善しないため来院された。

分析

左手関節の内側に圧迫が見られ、手関節周囲筋群には緊張が見られる。また、左肘関節には強い外旋変位が見られ、ヴァイオリンの演奏フォームを観察すると肘関節内側の筋群には癒着による強いしこりが見られた。
図:手首の筋肉の多くは肘から伸びている

施術

左手首には長軸の牽引を加え、周囲筋群へはグラストン治療を行う。最初の数回はこの治療を集中的に行い、手首の動きが改善されてからは肘の変位にアプローチを加えた。肘関節も同様に筋肉の癒着を改善させ、アジャストメントを加える。7~8回の治療の時点で痛みは90%ほどに改善された。
ヴァイオリン演奏時、左上肢は全体的に外旋し手首は内側へ屈曲します。この時、左手首周囲の筋膜に緊張があると手関節は圧迫を受け、痛みが生じやすくなります。また手首の屈曲は肘から伸びている筋肉も働くため、肘関節に筋肉の癒着があると腱鞘炎は悪化する傾向にあります。この様に手首の症状であっても肘の異常が絡んでいるケースも多く、肘に筋肉の固まりや押して痛む部位などがある方はグラストンの施術を行う必要がありますので、そのような場合は一度ご相談ください。