No.208 スマートフォンによる首こり・肩こり 43歳 女性 主婦

症状

1ヶ月前より、頭痛と首や肩のこりが強くなる。また最近は、寝ていて夜中に目が覚めてしまうことも度々ある。起床時には、首から肩にかけて凝りを感じている。特に思い当たることはないが、寝不足の為、身体を動かす気分になれず運動不足になっている気がする。

分析

初診時、左肩の緊張が強く+2の深部圧痛が存在する。整形外科的テストでは、特に問題はないが頚椎の可動域が狭くなっている。左回旋、左側屈で左頚部に痛み存在する。また、肩甲上腕関節の動きに左右差があり、痛みはないが左屈曲、外転で可動域減少をみる。

施術

治療では、上部僧帽筋、左肩甲挙筋、左斜角筋群等の緊張を取り除き、頚椎の可動範囲を広げる事から始め、肩甲上腕関節に対してアプローチしていく。特に肩甲下筋や棘下筋、大・小円筋の癒着が激しかったので、グラストン治療により筋癒着をはがしていく。3回の治療で症状は改善する。 また、症状が改善することにより気分的にも楽になり、身体を動かす気分になったので運動不足も解消されたのも影響してか、夜中に目を覚ますこともなくなる。 但し、慢性的に症状を繰り返している為、根本的な全身のケアを定期的に継続していく。
今回の患者さんに「最近、スマートフォンをよく使ってないですか?」と質問をぶつけてみると、「そう言えば、ここ1ヶ月ばかりPC立ち上げるのが面倒になり、寝しなにソファーに座り1時間ぐらいスマホを使ってから寝ることが多い」との回答。スマートフォンを使うと知らず知らず首が前傾しストレートネックが増強され、肩が上がってきます。またスマホを持つ左腕(左利きの人は反対かもしれません)から肩にかけて自然に力が入ります。これは肩甲上腕関節の筋群の癒着を招くのです。
今回のケースのように「痛み」などの症状があると、人は身体を動かす気力を消失させます。結果運動不足になり、動かないことにより更なる筋・筋膜の癒着を招き、強いては、自律神経系統やホルモン系にも影響し、不眠や疲労の原因にもなるのです。