No.155 外反母趾の痛み 34才 女性 デスクワーク 港区勤務

症状

歩行時の足の親指の痛みを訴え来院。二年前から運動の為にスポーツジムに通いエアロビクスのクラスを受けている。当初は問題なかったが徐々に運動後に右足親指付近に痛みを感じるようになった。 最近は運動をした翌日は出勤時や椅子から立ち上がった後などに痛みがある。ハイヒールで歩くと痛みが出易く、休日に運動靴を履いている時は比較的痛みは少ない。

分析

右足の母趾の外側に触れると痛みがあり、赤みを帯びていた。痛みの無い左母趾にも赤みはあるが痛みは無い。また裸足での歩行時には痛みは無かったが、つま先立ちをすると痛みがあった。検査をすると、右足の足底アーチ(特に縦アーチ)のバランスが崩れた状態にあり、歩行時に体重が右外側に流れていた。

施術

治療では足底のアーチと重心のバランスを整えるようにアプローチ。特に上半身から下半身にかけて右外側に重心が流れ易い状態を整えた。また、足底アーチを整える為に足根骨のバランスを調整した。加えて、アーチの崩れに対して自分で出来る簡単なテーピングを巻いてもらうように指示した。
初回の治療後には爪先立ちでの痛みは無くなり、テーピング後には重心のバランスも改善された。また、運動後の痛みは7割程度軽減した。現在はテーピング無しでも痛みが出ないようにリハビリとトレーニングを行っている。
初期の外反母趾の典型的な痛み方です。今回のケースは初期段階ですぐにケアが出来たので問題も少なく、予後も非常に安定しています。外反母趾は重症、慢性化すると痛みを軽減するのがより困難になっていきます。また、慢性化するとより安定性の高いテーピングや長期のリハビリやトレーニングを必要とします。足は常に使う所で休ませることが困難です。外反母趾など足のトラブルは早急に対処する事が肝要です。