No.149 柔らかい寝具で長時間寝た後に起きた腰痛 35才 女性 事務職

症状

普段は腰痛を感じないが、日曜日にやわらかい寝具で長時間寝た後に腰が痛み始めた。椅子から立ちあがる時などに腰の下部に痛みを感じ腰が伸ばせない。

分析

初回検査時、姿勢は腰を伸すと痛いため身体を前にかがめていた。動作では、特に前屈から上体を戻すときに腰の下部両側に痛みが再現。触診では右腰部に筋緊張が強く出ていた。

施術

初回の治療は、腰部の筋緊張を緩和し、下部腰椎の圧迫を取り除くようにアプローチ。治療後は動作時の痛みは半分くらいに軽減された。このようなケースでは痛みが再発することが多いので寝方・座り方・身体の動かし方などをアドバイスし注意するよう指示。
2回目治療〔前回治療の2日後〕前回の治療に加え、腰の正常な動きをつけるためエクササイズを行う。エクササイズはリスクを減らすため簡単なものを自宅で行ってもらった。
3回目治療〔前回治療の3日後〕痛みの軽減は見られるが、朝や座った後に腰が伸びない感じが残っていた。腰部の治療に加え、股関節周囲の治療を重点的に行う。治療後、動作での痛みはほぼ無くなった。
この方の普段の姿勢は、一見良い姿勢に見えるのですが身体を反り返らせている状態です。この姿勢ですと腰部に過剰な前弯(反り腰)を作ってしまいます。この過剰な前弯がある状態で柔らかい寝具で寝ると、背中(胸の後ろ)が沈み込んでしまうため腰の前弯はさらに強くなってしまいます。この状態で長く寝ていると腰部の筋肉が過剰に緊張し、痛みが出てしまうと考えられます。急性の腰痛では、はじめは痛みで身体を動かすことが困難ですが、状態にもよりますが痛みが軽減してきたらエクササイズなどで身体を動かした方が改善が早く見られます。3回の治療にてほぼ痛みはなくなりましたが、根本原因の過剰な腰椎の前弯を取り除くため継続治療中。