No.148 腕に広がる背中の痛み 39才 女性 会社員

症状

2週間前から右肩甲骨の内側に鈍い痛みが出現し、徐々に悪化。1週間前からは右肩から腕にかけて鈍い痛みが広がり始めた。仕事ではコンピューターを使用しているが、この痛みはコンピューターに向かう時間と比例しているようである。

分析

初回検査時、姿勢に顕著なアンバランスが見られた。右の肩甲骨が明らかに外側に移動していた。痛みの場所を探してみると右肩甲骨の内側にある菱形筋という筋肉に問題があるようであった。触診をしてみると筋肉が固まっている部分があり、押すと症状に近い痛みが腕のほうに広がる。また、肩甲骨の内側を使うように筋力検査をしてみても筋力の低下があり力を入れずらいようである。

施術

今回の症状はいわゆる「トリガーポイント」と呼ばれる筋肉の問題であり、その特徴としては痛みがその筋肉以外にも広がるということである。菱形筋は肩甲骨を背骨側に引き寄せる作用を持っているが、彼女の姿勢は右肩甲骨が下がって外側に出た状態であった。つまり、菱形筋にとっては伸ばされる姿勢を取っていたということになる。このことが筋肉にトリガーポイントを形成する原因となっていた。この姿勢を改善しなければ繰り返し発症してしまうので、骨盤から治療を行い体の傾きを正常に戻していった。3回の治療で腕への痛みは消失し、肩甲骨の痛みも半分以下になった。5回目で全ての痛みは消失し、再発予防の治療に移った。現在は姿勢に対し治療を行い、肩甲骨の位置は正常に近づいている。もちろん症状は出現していない。