No.138 左肩に受話器を挟む習慣と首の痛みの関係 47歳 女性

症状

左方向への首の倒しにくさと、右耳の後ろに出る鈍い痛みを訴えている。首の倒しにくさは2、3日前からで右耳の痛みは1年程前から。仕事を始めてからずっとデスクワークで座っていることが多く、電話を取る事も多い。忙しいとつい左の耳と肩で受話器をはさんでメモを取ったり作業をしていた。資料やメモを手前に置くためキーボードは自分から遠い位置に置いている。

分析





初回検査時、日頃、電話を左の耳と肩ではさみ使用していることに加え、同時に右手でメモを取ったり マウスを操作したりするため右肩が前方へ出て左肩が縮こまる、やや半身の体勢が再現された。 頚部可動域検査において左側屈で可動範囲の制限と左肩甲骨上角に疼痛が見られた。腕への痺れや安静時の強い痛みは確認されなかった。
デスクワークにおいて遠い位置での右手作業が長時間続くために右肩甲骨が前方に押し出され頚椎や頭蓋骨と連動している筋肉が伸張される。それにより右耳の後ろの筋肉の付着部が常に引っ張られている状態になり 今回の鈍い痛みの原因になっている。頚椎が常に右方向に引っ張られ力がかかるため左側の筋肉には引っ張り返そうとする 防御の力が加わり収縮する。日常的に受話器を左の耳と肩ではさむことによって収縮している左側の筋肉に 更なる収縮の負荷をかけてしまう。今回その緊張が高まり左に首を倒すことによって関節が圧迫され痛みと倒しにくさを感じたと思われる。

施術

左側の筋肉の緊張を緩和すると同時に、前方に押し出されている右の肩甲骨を戻し右の筋肉にかかる引き伸ばされる力を緩和していく。そうすることで頚椎と両側肩甲骨のバランスがとれ痛みを軽減・予防していくことが出来る。3回目の治療で左への側屈は改善され痛みも消失、右耳の痛みも軽減している。さらなる軽減の為現在も継続治療中。