No.250 産後の腰痛(20代 女性 一般事務)

症状

以前から腰痛を感じていたが、産後に抱っこをしながらの家事や授乳することで痛みが増してきた。その事が原因かは分からないが右足に重心がかかるようになり、右膝への痛みを感じるようになってきた。
右膝の痛みは歩行中に感じることが多く、特に階段を昇降する時感じる。妊娠前から体重は10キロ以上増加しており、産後からまだ4キロ戻っていない。

分析

この方は骨盤に歪みがあり立ち姿を後ろから観察すると左右のバランスが崩れていました。足の長さに左右で違いが確認され、右の脚が左に比べて長くなっています。右お尻の筋肉の緊張が強く体を反らす動きで右のでん部に鈍い痛みを感じており背骨全体の胸椎から腰椎にかけての動きが少なく、背骨に沿って身体を支えている筋肉の張りが強くなっています。
うつ伏せになると身体全体に捻じれがあるため左の骨盤が浮いてしまう状態です。

施術

1回目の施術臀部と大腿の外側にある筋肉を緩め、骨盤の歪みを矯正して、骨盤の開きを安定させるため、骨盤ベルトをつけてもらいました。
骨盤の歪みにより右膝に負担がかかっていると考えられ、腰部・骨盤の施術を行いました。2回目の施術(1週間後)治療後は調子がよかったのですが、3日前から徐々に再発。長く座っていると尾骨に痛みが出てきました。膝の痛みは消失しており、膝の問題ではなさそうなので、引き続き施術をしました。骨盤の歪みが戻り、やや右の臀部の筋肉の緊張が残りました。骨盤を調整し、股関節に関わる筋肉をストレッチするように伝えて胸椎から腰椎の動きが悪い部分を矯正しました。
3回目の施術(1週間後)右膝の痛みはなくなったのですが、右膝前面の重たい感じが残りました。うつ伏せになったときの骨盤の浮きは軽減、膝に付着する太もも前面の筋肉の緊張を緩め、骨盤を調整しました。骨盤ベルトを施術後すぐ着用していることもあり、安定してきたのか、重心も整い腰痛も無くなってきています。症状安定しているので、メンテナンス治療へ移行する予定です。産後は骨盤が開きやすくなります。今回のケースは骨盤がずれたことにより、バランスが崩れ右足重心になり、右膝へ負担がかかったものと思われます。特に妊娠中に体重が増加して完全に妊娠前の体重に戻ってなければ、今まで以上に足腰には負荷がかかるので、ちょっとしたことで痛みを招くこともあります。産後の症状は早めの治療が効果的です。

担当:KIZUカイロプラクティック本院 チーフ 竹中伸太郎