症例:めまい 脳神経外科でのカイロプラクティック施術

脳神経外科での症例報告 55歳 男性 運転業務(30年以上)

主訴:めまい(吐気あり)現病歴:2018年8月23日より

既往歴:5年前にもめまい、耳鼻科でBPPV、体操行う  2017年にもめまい 体操で自然経過

その他症状:逆流性食堂炎  常用薬:ファモチジン、プロマック、ストロカイン、甘草湯

検査: 心電計:異常なし 眼振:左向き眼振あり 頭部CT:出血性病変なし

重心動揺計:不安定さあり閉眼できず X-Ray :軽度変形性頚椎症

カイロプラクティック施術

分析:車の運転を30年以上していたため、巻き肩が強く、側方アライメントでは猫背で頭部が体幹の前に出ているクレーンネック状態であった。後頭部から頚椎へかけての筋緊張が強く、頚部筋群(前部、後部ともに)には圧痛があった。逆流性食堂炎もあり、横隔膜が動いていない浅い呼吸であった。

治療:先ず、横隔膜のリリースを行い上半身を起こせる状態にした。その後頚椎のアライメントを矯正する。特に後頭下筋群の緊張を取り除き、後頭骨と頚椎にかけてニュートラルな牽引をかけ、頚部深部屈筋群である「頚長筋」「頭長筋」を働かせ強化していく。

結果:5回の治療で症状は消失。レントゲン画像でも過度前彎が修正され、後頭部の緊張がとれたアライメントになったことが確認できた。

考察:体幹のインナーマッスルについては、よく耳にすると思います。そのインナーマッスルは、実は首にも存在します。首を安定した状態にするには首のインナーマッスル「頚長筋」「頭長筋」を働かせて(屈筋群)「胸鎖乳突筋」「後頭下筋」に過度な負担をかけないようにする必要があるのです。また、胸鎖乳突筋は、多関節筋として屈筋の作用する場合もあるのでより注意が必要である。

頭部を前屈する動作や顎を引く動作で、頭長筋は緊張します。(但し、無理やり顎を引くと後方部分の後頭下筋群や胸鎖乳突筋も緊張します。首の筋肉強化運動でチンタックという運動がありますが逆効果になる可能性があるので注意必要です)

*頚部屈筋群の深層筋の弱化に関する文献

(Clin . Sports Med . 22:639–667. 2003.)