舟状骨と立方骨の重要性

 足関節には、7個の足根骨・5本の中足骨・14本の趾骨あり体重を支えるための絶妙なアライメントを保ってます。足関節は、それらの関節で体重を支え、かつ、床からの力を脛骨・腓骨そして大腿骨に伝えるアーチ構造をしています。石畳を歩いたり、階段駆け上がったり、ステップ踏んだり、ジャンプしたり、ボールを蹴ったり、ある面では、強靭であり、ある面では柔軟性に富んでいます。それらの機能を可能にしているのが、絶妙な関節アライメントなのです。

足の模型を眺めていると、この絶妙な作りに感動します!この足関節から体幹への繋がりによって起こる不調は様々です。

今回は、その中で足のアライメントにおいて重要な骨『舟状骨』『立方骨』について触れてみます。先ずは、これら二つの骨に影響を与えている障害に足関節の捻挫(内反、外反)があります。

 足関節捻挫は、スポーツ外傷の中で最も多いと言われているほどです。足関節捻挫の大部分は、着地をした瞬間や足をついた瞬間、足を内側に捻って捻挫をする内反捻挫(ないはんねんざ)す。

 内反(内返し)は22.6度と言われ、外反(外返し)12.5度の約2倍の可動域があります。足首の捻挫した時の足の動きをイメージするとわかりやすいかと思います。主に捻挫は、この内反で起こります。(外反捻挫は、頻度が少ない捻挫ですがスポーツ障害で度々起きます。)

 内反捻挫は足関節の外側の組織を伸ばす力が生じます。結果、足関節の外側を支える靭帯を痛めること多いのです。内反捻挫で最も捻挫する靭帯は前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)という、外くるぶしの前部分の関節を支える靭帯です。これら靭帯部分に損傷が起こると外くるぶしが腫れたり、痛んだりします。内反捻挫をすると、通常は外側の組織が損傷しますが、頻繁に足首の内側も痛くなることがあります。なぜなら、関節に影響している可能性があるからです。この内反捻挫で靭帯を痛めた場合は、その靭帯の修復に必要なテーピングなど固定が必要です。また*RICEという処置も重要です。但し、この関節の問題が残ったままの方が多いのです。

それが、この舟状骨と立方骨のアライメント異常です。

この二つの骨は、捻挫以外でもズレが生じることが多い骨でもあります。通常の歩行でも足首のねじれが生じるので、この動きが一方向へ偏った場合にも、この二つの骨がバランスを取ろうとして歪みます。

 履いている靴の形が崩れやすい、踵の削れが大きかったり、左右差がある場合などもこの二つの骨がズレる要因になります。捻挫後の治りにくい足首の痛みや違和感、また捻挫はしていないのに足首の痛みで歩行困難になるなどの痛みは、この舟状骨と立方骨の矯正が効果を発揮します。足関節障害の根本原因に解決になることが多いのです。

RICEとは、Rest(安静)」Icing(冷却)」Compression(圧迫)」Elevation(挙上心臓の位置よりも高く持ち上げておく)」のそれぞれの頭文字をとったもので、患部の炎症や出血を防ぐための応急措置のことです。

*画像にて、立方骨と舟状骨の位置が逆に示されていました。大変失礼いたしました。(2022年12月23日修正)

 

文責:木津直昭