No.195 ぎっくり腰と坐骨神経痛 43才 男性 会社員

症状

ぎっくり腰と坐骨神経痛を訴え来院。痛みは三日前から始まり、初めは弱い腰の痛みだけだったが徐々に痛みが悪化。翌朝から右太腿裏側にも痛みが拡がり、痛みで歩くのが困難になってきた。以前にも数回同じ症状を経験したことがあり、数年前に整形外科でMRI検査で椎間板ヘルニアの診断をうけている。

分析

安静時には強い痛みはないものの、痛みで前屈みの姿勢から身体を起すことが出来ず、立位、座位ともにじっとしているのがつらい状態であった。神経学的検査、整形外科学的検査では陽性反応は見られなかった。また、動作の途中で腰部が伸展(後ろに反らす)する力が加わると腰部に強い痛みが走り、その痛みでうめき声を上げるほどであった。また、右腸腰筋と腹筋群に過度な緊張が見られた。

施術

筋の過緊張に伴う腰部の構造的な不均衡を取り除くようにアプローチ。一回目の治療時には腸腰筋と腹筋群の過緊張を緩和させた。二回目の治療時には腹部と腰部、殿筋群と腰部全体のバランスが取れるようにアプローチを行い、三回目の治療時には残っていた問題を取り除いた。一回目の治療後には治療前に比較して7割ほど可動域が改善していたが痛みが少し残っていた。2回目の治療後には痛み、可動域共に9割改善。3回目の治療後には生活上の問題は全く無くなっていた。現在は、普段の生活習慣の改善とエクササイズを維持しつつメンテナンス中。
ぎっくり腰(急性腰痛症)は幾つかのパターンがあります。
・じっとしていても痛い or じっとしていれば痛くない
・お辞儀・前屈みで痛い or 反らすと痛い
・脚に痛み・痺れがある or 腰だけが痛む
など、それぞれに重症度合いがあり、炎症の有無、椎間板の状態などによって対処やケアの方向性が変わってきます。今回のケースは予後も良好で日常生活への支障が少なく済みましたが、慢性化・習慣化するケースも多く見受けられます。ぎっくり腰になってしまった場合、あまり我慢せずになるべく早めに対処することが肝要です。