No.117 ぎっくり腰~急性腰痛症~ 32歳 女性

症状

月曜の寝起きに腰の重さを感じ、洗顔の為少し前屈みになったところ腰部に強い痛みが走った。痛みの為、腰を曲げ伸ばしできず歩くのも辛い。痛みは骨盤部付近から腰部にわたってあり、少し前屈みになった姿勢から体勢を変えるのが怖い。以前にぎっくり腰の経験はなかったが、12月に多少腰痛を感じていた。普段の腰痛の自覚症状はなく、どちらかというとデスクワークでの肩こりの方が気になっていた。今回の急性腰痛症で思い当たるような原因は無い。

分析

初回検査時の姿勢は腰部をやや前屈した状態になっていた。腰部の可動域は、不安定感や怖さはあるものの腰の前屈以外で大きな痛みはなかった。加えて、右の股関節を身体に引き寄せる動作(股関節の屈曲)で腰部に痛みが再現された。腰部の筋群と腸腰筋に強い緊張が見られたが、他の検査では特に問題がなかった。

施術

治療ではまず、腸腰筋の緊張を取り除き、右腰部起立筋の緊張を取り除いた。 この時点で、右への体重移動での痛みは無くなった。 その他、崩れた姿勢により反応していた筋にアプローチ。 第5腰椎右椎間関節へ矯正を行った。 また、第10胸椎の後方変位がみられたので、そこも矯正を行った。 治療後、姿勢は真っ直ぐになり、ほぼ痛みは消失。 身体を大きくそれすと、まだ痛みは残る程度であった。 3回の治療で反らした時の痛みも消失。 子供を抱いた後の違和感を無くすため、継続治療中。
今回のぎっくり腰(急性腰痛症)の原因は、日常のデスクワーク中の悪い姿勢から来る疲労を元に、寒さによる筋の緊張、休日で普段より長時間寝たことで起きた椎間板の圧力の不均衡さが引き金となっていた。結果的に疲労のかかっていた腰部の筋肉や腸腰筋は強く緊張し更にバランスを崩していた。初回の治療時、まずは緊張している筋の緊張を取る様にアプローチ。股関節や骨盤部に関わる筋群をストレッチし緊張を緩めた。加えて、腰部の動きのバランスを崩した関節にもアプローチ。治療後、筋肉に刺激を加える為に能動的な運動によるリハビリを行った。治療後は70%程度痛みは軽減し、姿勢を伸ばすことの怖さは無くなっていた。その後、3回目の治療までにぎっくり腰(急性腰痛症)の痛みは消失したものの、前屈みになるときに怖さが残っている為、リハビリを行いつつ治療継続中。
ぎっくり腰(急性腰痛症)は今回の様に明確な原因に自覚がないケースもあります。バランスを崩した状態、歪み、疲労、怪我に加えて、時期的に寒さや冷え、(普段と比べて)長時間の睡眠、急な運動なども引き金になり得ます。特に寒い時期や季節の変わり目には、軽度の腰痛だと思っても看過せずに対処する事が重要です。