No.111 ゴルフ後の首の痛み 42歳 男性

症状

左首の痛みを訴えて来院。ゴルフの最中に首に違和感を感じた。プレー中は悪化しなかったが、プレー後に段々と痛みが悪化し、翌朝首が回らなくなった。その後、数日で痛みは治まったが、それ以後ゴルフをプレーするとプレー後から首に痛みを感じる。最近は首の痛みが慢性的になりゴルフをプレーしない時にも痛みと動きにくさを感じる。 痛みの為かどうかはわからないが、最近スイングフォームが崩れてきていると感じている。

分析

初回検査時、頚部の可動域検査において、側屈(首を横に倒す動作)時に左右ともに可動域が減少しハリを訴えていた。加えて、伸展(首を後ろに倒す動作)時には首の付け根あたりに痛みがあり、可動域も減少していた。 姿勢検査では首猫背の状態に加えて、両肩が前に出ており肩から頚部の筋群に緊張を与えていた。また、スイングフォームをチェックしたところテークバックが小さくなり、その為スイングのリズムが崩れていた。

施術

治療では頚部の可動域を正常に戻すことを目標にアプローチ。まずは構造的なアンバランスさを改善するために、緊張している頚部の筋群と胸筋を緩和。加えて、テークバックを小さくしている肩の運動性を改善するようにアプローチ。2回目の治療後にテークバックの感覚が戻り始め、それに伴ってゴルフ後の頚部の痛みが軽減し始める。5回目の治療後には慢性的な首の痛みもゴルフ後の痛みも共に改善。コンディションの安定化を図りつつ継続治療中。
今回のケースは、ゴルフ障害としては標準的なものです。構造的なバランスが崩れたことで首を痛め、同時にフォームが崩れ、そのフォームの崩れが体に過負荷をかけ、結果的に更に首を痛めた状態です。 テークバックが小さくなると相対的に首に掛かる捻じれの力は大きくなります。(逆に首の回旋範囲は狭くなります)そのことがさらに症状を悪化させ、慢性的な首の痛みになっていました。スイングショルダーも同様ですが、構造的、運動学的な問題とスイングフォームの問題は密接に関わっています。ゴルフを長く楽しむ為にも、ゴルフに関わる身体のトラブルは放置せずに早めに対処してください。