オーバープロネーション/回内足 (Overpronation / Pronated Foot)

オーバープロネーション/回内足 (Overpronation / Pronated Foot)

回内とは、歩行中、足が地面に着くときに起こる、踵の外側から母趾のつけ根に向かって転がるような足の運動を言います。反対に踵の内側から小趾のつけ根に向かって転がるような運動を回外といいます。
回内運動は踵が地面に着いたときにかかる身体への衝撃を緩和するために重要な役割を果たしています。一方回外運動は地面を蹴り、身体を前進させる役割をしています。この足の回内・回外運動は歩行中、特に足が地面に着いている間、決まった時間に、一定のタイミングでスムーズに繰り返し行われなければなりません。しかし歩行中に回内している時間が長くなったり、次の運動に移行するタイミングが遅れている状態をオーバープロネーション(過回内)と言います。また真直ぐ立った状態で、足が回内した位置にあるものを回内足と呼んでいます。

オーバープロネーションあるいは回内足(上画像)は日常よく見られる一般的な足部の機能的障害です。歩行中や立っている時に、身体を支え、スムーズな運動を繰り返すために最も安定していなければならない足部がこの障害によって不安定になると、足だけの問題ではなく、さまざまな身体の部位にその代償が起こり、症状となって表れます。特に足に隣接した膝や股関節、さらには骨盤や腰の位置やそれらを支える筋肉や靭帯にかかる負担を変化させ、些細なきっかけで痛みなどの具体的な症状となって表れることがよくあります。
アメリカでは80%以上の人が回内足であるとの報告があります。日本でも多くの人が回内足に関連する症状を抱えていると日常の臨床で実感しています。またアメリカでは腰痛を訴える90%以上の人が回内足であったとの報告もあります。

回内足セルフチェック
□靴のかかとの部分(ヒールカップ)が内側に型崩れしている
□足底の胼胝(たこ)の位置が均等ではない。あるいは違う場所にできている。
□足を揃えて真直ぐ立った時に膝が内側を向いている。
□歩行中、膝が内側に折れる
□外反母趾
□反り膝
□扁平足
□O脚

回内足は治療してもすぐに改善されるものではありませんが、適切な施術を定期的に受けることと同時に、家庭でのエクササイズを習慣づけることで関連する症状が劇的に改善します。またインソールや足底板を使用することにより、足の機能を正常に保ち、また治療の効果を維持することが期待できます。
これらの症状に心当たりのある方、または興味のある方は遠慮なく相談ください。

KIZUカイロプラクティック
テクニカルマネージャー
五十嵐由樹 D.C.