記事一覧

2014年版 頭痛へのカイロプラクティック的アプローチ

ファイル 229-1.jpg

パソコンやスマホなどの電子機器の影響もあり、慢性的な頭痛で悩む患者さんが後を絶ちません。
頭痛にも必ず原因があります。自分自身も小学生のころ頭痛で苦しみ、痛くなる前に頭痛薬を飲んでいた記憶があります。自分の頭痛の原因は「姿勢」でした。子供時代の写真を見れば明らかでいつも右足に体重をかけ顎があがっていたのです。

今回は、数年前に行った頭痛に対するカイロプラクティック的アプローチをアップデートしてみたいと思います。
頭痛の治療においてカイロプラクターは頭痛原因を分析することに重きを置き以下のことを行います。

カイロプラクティック的検討対象となるプロトコル
1.病歴と検査結果に危険信号がないかチェックする。器質的頭痛を排除する。
2.頚椎を評価し、頭痛を起こす頚椎コンポーネントがあるか判定する。
3.側頭下顎関節(TMJ)を評価し、頭痛を起こす要因があるか判定する。
4.頭部外傷か血管原因の場合は排除する。
5.頭痛原因の可能性のある食生活要因を探す。

*適応症以外は、すみやかに専門医に紹介する。
以上のプロトコルを通して原因を探し、頚椎のコンポーネント・側頭顎関節などの治療や 背骨・骨盤のアライメントや筋肉や関節などの問題を改善させて頭痛を軽減させる事が可能です。
カイロプラクティック治療は一次性頭痛に有効と言われています(特に緊張性頭痛や頚性頭痛)が、最近の臨床を通してわかってきたことは、原因が多岐にわたっている複合体が多いということです。
例えば、ストレートネック状態や上部交差症候群においても頭痛が発症する方が多いのですが、これはストレートネックや上部交差症候のような状態は、頚椎コンポーネント異常や筋緊張を作ってしまいます。またその筋緊張は、精神的なストレスから起きていることも考えられます。また、日常の習慣で作られた「その人独特の悪い姿勢と身体の使い方」も大きく影響する等、様々な要因が絡み合い、頭痛が起きるという機序になっているのです。
上記したプロトコルに2年前に作成したものですが、ここに新たに以下の2つのプロトコルを加えたいと思います。

6.無呼吸症候群がないか評価判定する。
7.呼吸の評価判定する。

臨床においてこの呼吸の影響も軽視できないと感じています。特に無呼吸症候群で起きる頭痛は起床時頭痛が特徴的です。呼吸の評価をすると浅い呼吸で、胸郭を使えず肺に吸い込むことができない患者に多く遭遇します。但し、この無呼吸症候群や浅呼吸も上部交差症候群やストレートネック状態になっていることが多いのです。結局、起きている現象は同じだったりするのです。

 今や頭痛は真に隠れた流行病であることは明らかです。そして原因を特定することが難しい疾患の一つだと思います。どんな障害も同じなのですが、症状が憎悪する「何か」が存在します。
その「何をすると?」「どんな時に?」「どんな種類の頭痛がどこに?」など、患者さん自身も理解しておく事が頭痛の根本的な解決に繋がるはずです。以前のコラムでも取り上げた「危険な頭痛の症状」も参考にして、専門医の検査を受ける事も必要だと思います。頭痛日記を付けるのもいいでしょう。いつ痛みが出現したのか、どんな姿勢でいたか?薬や食事の時間などを記入しておくといいでしょう。

*参照 過去ブログ
頭痛について①
http://www.kizuchiro.com/director_blog/diary.cgi?no=130