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筋筋膜痛について

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 2013年11月22日付の日本経済新聞の記事で面白い記事が掲載されていました。その記事についてブログで書こうと思っていましたが、月日の経つのは早いもので早3週間が経過してしまいました。 以前は新聞を切り抜いて取っておくのですが、今は便利なもので電子版を検索すれば、あっと言う間にその記事を探すことができました。さて前置きはこのぐらいにして・・・この記事で目を引いたのが「筋筋膜痛の患者が多い」「その原因が姿勢や運動不足である」ということに専門家が指摘しているということです。
以下冒頭の内容引用

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 国内の慢性的な腰痛患者は約2800万人といわれる。神経を圧迫する椎間板ヘルニアのように原因が分かる場合もあるが85%は原因不明だ。その中には神経痛ではなく、筋肉痛の一種「筋筋膜(きんきんまく)痛」の患者も多いようだ。日ごろの姿勢の悪さや運動不足などが響いて症状が重くなる。生活習慣を正していくのが重要だ。
筋筋膜痛とは、分かりやすく言えば筋肉痛だ。腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症といった神経を圧迫する神経痛は、神経にそってピリピリとした痛みやしびれなどがある。触ると痛く、感覚が鈍くなるなどの神経障害が起こる。筋筋膜痛の症状にはこの種の神経障害がなく、傷めた筋肉の特定場所が痛むのが特徴だ。
 筋筋膜痛は筋肉の損傷や過剰な負荷、疲労の蓄積などで起こる。急性期は数日たつと治るが、いつまでたっても回復しない慢性痛になる場合もある。姿勢の悪さや運動不足といった様々な生活習慣がかかわっており、原因の特定は難しい。(上記2つの表も記事から抜粋)
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 日本の人口は125,358,854人(2010年調査)であり、そこから、二十歳までの約3000万人を引いた9500万人のうちの2800万人とすると約29.5%が慢性腰痛になっていると推測されます。働いている人の3人に1人は腰痛持ちなのです。そして、この記事の中では、それらの原因が筋筋膜にあるのではと指摘されているところが注目されます。その治療法として紹介されているのはは、トリガーポイント療法やブロック注射、そして運動や姿勢の大切さが書かれています。そして各専門家が以下のように指摘されています
「薬では筋力やバランス力はつかない。運動が基本なのを忘れないでほしい」(NTT東日本関東病院ペインクリニック科の安部洋一郎部長)
「治療のゴールは鎮痛ではなく日常生活動作(ADL)や生活の質(QOL)の向上。慢性痛は患者が自分から動かなければ変わらない」(東京慈恵会医科大学の北村俊平助教)

この記事を読んだ感想は、腰痛の原因が「筋筋膜」にあることが整形外科やペインクリニックでも同じ印象をお持ちなんだということです。それは僕らが臨床で感じていることと同じです。ただ一つこの記事に補足したいことがあります。
それは、筋筋膜性の痛みを取り除くときに、ストレッチや運動では解消しきれない根深い癒着が存在することがあるということです。この癒着をリリースしないで行うストレッチや運動が逆効果になってしまうこともあるのです。(カイロプラクティック治療では、この癒着に対しては、グラストンテクニックや筋膜リリース療法が用いられます。)

これら筋筋膜の根深い癒着は、PCやスマホの普及、そして座ることが長時間に及ぶ現代社会では、逃れられないことかもしれません。症状が始まる前に「姿勢や予防の大切さ」を子供たちに伝えなければいけないのです。少し大袈裟に聞こえるかもしれませんが、義務教育に姿勢のカリキュラムを入れるべきなのです。


■筋筋膜に関する記事(日本経済新聞電子版)
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO62926820R21C13A1EL1P01/
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■筋筋膜の癒着についてとグラストンテクニックについて
http://www.kizuchiro.com/th01.html