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集中と焦点を合わせることについての違い

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 先日、バイオリンをされる患者さんに本を頂きました。その一節にあった興味深い文章についてご紹介させて頂きます。
(深澤さんありがとうございました!)
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 年少の生徒が先生に「ヴィブラートに集中しなさい」と言われた時の様子を注意深く観察すると、生徒がヴィブラートに集中すればするほど、ヴィブラートはぎこちなくこわばったものになります。
 集中とは、生徒が先生から求められるもののうち、最も悪いことの一つと言えます。集中は注意する能力を制限してしまうからです。注意力が狭まると、身体まで萎縮してきます。顔をしかめたり、筋肉が不必要に緊張したり、精神的に疲労を感じたりするのは、集中につきものの弊害です。こうならないためには、「集中」ではなく「焦点を合わせる」ことを心がけると良いでしょう。この生徒がヴィブラートに集中するのではなく、焦点を合わせることができれば、ヴィブラートは周囲の状況を含んだ現象の一つとなり、何もそこから締め出されたりしません。
*ヴァイオリニストならだれでも知っておきたいからだのこと」
ジェニファー・ジョンソン著(春秋社)より
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 この文中にある「集中と焦点を合わせることについての違い」ですが、臨床の場で思い当たることがたくさんあります。治療の中でアスリート(演奏者・ダンサー・ゴルファーなど)の方々には、修復過程でどうしても必要なフォームの修正時に、その悪い部分を指摘してしまう傾向があります。そうすると本人は、その部分に集中してしまう為、他がおろそかになってしまうのです。「この焦点を合わせる」必要性を強く感じるのです。これは、一般の方々にウォーキングを伝える時にも同様のことが言えると思います。「足に気をつける」「肩甲骨を意識して」「骨盤を意識して」などなどです。
早速、来月(3月20日)、二子玉川で骨盤矯正ウォーキングの講義を担当するので、生徒さんに、「焦点を合わせること」の大切さを伝えていきたいと思います。
東急セミナーBE 1周年記念:
http://www.tokyu-be.jp/seminar/2012010005XD57001.html

*演奏者の行っているパフォーマンスは、僕の中では、芸術家でありアスリートだと思っています。