パソコンを使うと身体が不調になるのは何故か?



パソコンと身体の不調の関係

  • 肩こり・首のこり
  • 肩から腕や手が痛む・しびれる
  • 眼精疲労や頭痛
  • 腰痛・背中の痛み
  • 腱鞘炎・ひじの痛み
上に挙げた症状はVDT作業(パソコンでの作業)によって起こる身体のトラブルの一例です。

現在、職場でのパソコン普及率は90%を超え、世帯普及率も80%を超えています。それに伴ってVDT作業に起因する症状「マウス症候群」や「ストレートネック」を訴えて来院される患者さんは増加の傾向にあります。

VDT作業に起因する症状を抱える患者さんの動向を調べるため、昨年KIZUカイロプラクティックの患者さんにアンケートをご協力頂きました。結果を集計したところ、KIZUカイロを訪れる患者さんと一般的なVDT作業時間との間に違いが見られました。

VDT(Visual Display Terminals)作業とは、「ディスプレイやキーボード等で構成される、主にパソコンを使っての作業」の事を言います。

作業時間が如何に身体に影響するか

2008年9月頃に行ったアンケートによると、KIZUカイロプラクティックを訪れた患者さん194名中、VDT作業が7時間を超える人が54%、5〜7時間では29%、5時間未満は17%でした。それに対して2003年次の厚生労働省調査によると、VDT作業が6時間を超えるのは全体の20.6%でした。

また、同じアンケートによると81%の方はVDT作業時間の増加に伴って首・肩のコリや腕の痛みなどの症状を感じ始め、次いで腰痛、背部痛、頭痛等の症状が続きました。加えて、首肩のコリや腕の痛みに始まった痛みは更にVDT作業時間の増加と共に頭痛や背中の痛み、腰痛などに拡大していくという回答が多くありました。

仕事におけるVDT作業の割合は年々増加傾向にあるといわれています。ですが、既に職場でのパソコン普及率が90%を越えていた2003年当時と比較して、2008年の平均労働時間やパソコンの普及率の推移はあまり変化していません。加えて、2008年次と2003年次のKIZUカイロプラクティックを訪れた患者さんのPC使用率と症状の分布には大きな差はありませんでした。

単純にこの二つの数字や結果を比較する事は難しいですが、VDT作業に伴って起こるマウス症候群や腱鞘炎、肩こり、腰痛などの症状は「作業時間の長さ」が大きな原因になるようです。

椅子選び? 座り方?

作業時間だけではなく作業環境でも興味深い結果が出ました。

座り方と椅子選び1」でも触れているとおり、仕事で使う椅子が身体に合っているかどうかは中々難しい問題です。椅子の高さや座面の奥行き、背もたれの角度・・・これらの条件は座る人の身体のサイズ、机の高さや広さや床面との高さの兼ね合いなどの条件で変わってきます。

チョコン座りボディースリップ

加えて、アンケートに拠ると椅子の背もたれを十分に使えていない方は全体の5割を超え、3割近い方が頬杖をつき、2割の方が左右どちらかに重心が偏っていると回答しました。結果的に、多くの患者さんは椅子選びが困難な事に加えて、構造的な負担が大きい座り方で更に条件を悪化させています。「椅子選び」と「座り方」もVTD作業に起因する症状とは密接に関わりがあるようです。

身体に優しいVDT環境

2002年に厚生労働省が発表した「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」を見ると、下記のような「望ましいVDT作業環境」が挙げられています。

作業時間

  • 1連続作業時間は1時間を超えないこと
  • 連続した作業の間に10〜15分の休止時間を取ること
  • 1連続作業時間内に1〜2回の小休止を取ること

椅子

  • 安定しており移動可能なもの
  • 高さの調整ができること
  • 傾きの調整できる背もたれと肘掛を有していること

  • 作業するのに適切な広さを有していること
  • 足まわりが窮屈でないこと
  • 床からの高さが作業者に適切であること

作業姿勢

  • 椅子に深く腰掛け、背もたれに十分に背をあて、足裏全体が床に接していること
  • (もしくは、十分な広さをもち、すべり難い足台を使うこと)
  • 椅子とひざ裏との間には指が入る程度のゆとりを保ち、太ももに無理な力がかからないこと

ディスプレイ

  • およそ40cm以上の距離を確保すること
  • 画面の上端が目の高さと同等かやや下に位置すること
  • キーボードや書類との距離をあまり離さず、適切な範囲に置くこと
  • 作業者にとって好ましい位置、角度、明るさであること
  • 表示文字が小さすぎないように配慮し、概ね3mm以上であること

VDT作業に起因する身体のトラブルを抱えている方の多くは、上記の様に条件が整った環境でVDT作業を行えば症状の多くを予防する事ができるかもしれません。ですが、このような環境を整えることはとても困難です。

では、いったい何から始めるべきのでしょうか・・・?

今日からできる3つのこと

VDT作業に起因する症状を引き起こす大きな要因である、作業時間、椅子、座り方に関して上記の様な整った環境を作る事は困難でも、まずは「今日からできる3つのこと」を実践してみて下さい。

  • 一時間に一回は席を立つ
  • (画面ずっと眺めている目も少し休ませる)
  • 椅子の背もたれをしっかり使う
  • (背もたれを正しく、有効に使って身体の負担を軽減する)
  • こまめに座り方を変える
  • (じっとし過ぎて身体を固めない)

具体的な方法は、「座り方と椅子選び1」や「マウス症候群撃退法」などをご参照下さい。

VDT作業環境によって引き起こされる不定愁訴は各自の予防が肝心です。同時に椅子選びや作業環境の改善など会社単位での環境対策も必要不可欠です。まずは、今日からでもできる自己対策から始めてみては如何でしょうか?

KIZUカイロプラクティック ANNEX 佐藤

 



頭痛について@ ー頭痛の分類ー

頭痛についてA ーカイロプラクティック的アプローチ法ー

VDT症候群〜眼精疲労と頭痛

姿勢について

マウス症候群

座り方と椅子選び1

ストレートネック

参考資料

技術革新と労働に関する実態調査結果の概況 厚生労働省 2003

Labour compensation and hours worked OCED Factbook 2009


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