

 |
 |

 |
 |
 |
 |
 |
     |
 |
 |
 |

椎間板ヘルニアの原因遺伝子を世界で初めて発見


独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、腰椎椎間板ヘルニアの原因遺伝子のひとつが、CILP(cartilage intermediate layer protein)遺伝子であることをつきとめました。理研・遺伝子多型研究センター(中村祐輔センター長)変形性関節症関連遺伝子研究チームの池川志郎チームリーダーらの研究チームによる成果 です。
椎間板ヘルニアは椎間板の変性による疾患です。腰痛や座骨神経痛の最大の原因で、多くの人を苦しめていますが、これまでその原因は不明でした。今回の研究では、遺伝子多型を用いた相関解析を行って、CILPが椎間板ヘルニアの原因遺伝子のひとつであることを発見しました。
CILPは軟骨細胞の周囲の基質に存在するタンパクで、TGF-βという軟骨細胞の主要な成長因子と結合して、TGF-βが軟骨基質を生み出す働きを抑制します。このTGF-βに対する抑制作用が、椎間板ヘルニアの罹(かか)り易さの違いにつながります。CILPのあるタイプのSNP(一塩基多型)を持っている人では、椎間板ヘルニアの発症リスクがおよそ1.6倍になることがわかりました。
これらの成果は、椎間板ヘルニアの原因、病態を遺伝子、タンパクレベルで解明した世界で初めての研究成果 です。今後のCILPタンパクとTGF-βの関係の解析により、椎間板を維持するメカニズムが明らかになり、椎間板ヘルニアの画期的な治療法およびその治療薬の開発が大きく進むものと期待されます。
本研究成果は、米国の科学雑誌『Nature Genetics』ウェブサイト上のオンライン・パブリケーション(5月2日付)に発表されます。
◇ポイント◇
* 腰椎椎間板ヘルニアの患者では「CILP」という遺伝子の発現が高い。
* CILPのあるタイプのSNP(CILPタンパクの395番目のアミノ酸がスレオニンに 変わっているタイプ)を持っていると、椎間板ヘルニアになるリスクがおよ そ1.6倍も高い。
* CILPタンパクは、TGF-βという軟骨細胞成長因子と結合し、軟骨の分化と増 殖を抑制。
◇背景◇
椎間板ヘルニアは、椎間板の軟骨の変性を基盤とする疾患です。骨・関節の疾患の中で、最も発症頻度の高い疾患のひとつで、少なく見積もっても全人口の約 1%が罹患します。腰椎椎間板ヘルニア、及びその前駆状態の腰椎椎間板変性症は、腰痛、座骨神経痛、足の麻痺、感覚障害など様々なやっかいな症状を引き起こします。生涯罹患率80%といわれる腰痛の大きな原因のひとつでもあります。その好発年齢は20〜40歳の青壮年期で、このため、労働生産性の低下などの社会的な問題も引き起こします。
厚生労働省統計情報部のデータによれば、国内における椎間板ヘルニアによる入院患者は7.4/1000人にものぼります。手術患者は、初回の手術に限っても人口10万人あたり年間46.3人という報告がなされています。毎年 約5万人が手術を受けている計算になります。
このように椎間板ヘルニアは医療、医療経済上重要な問題なのですが、その発症の根本的な原因や病態は分かっておらず、そのため有効な治療法がないのが現状です。
(日本経済新聞 5月2日掲載)
(独立行政法人理化学研究所 広報室掲載 http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2005/050502/)

<詳細及びリンク>

独立行政法人理化学研究所 広報室
http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2005/050502/


 |
 |
 |
 |



国内における椎間板ヘルニアによる入院患者は7.4/1000人にものぼると言うデータからも今回の腰椎椎間板ヘルニアの原因遺伝子をつきとめた研究は、これからの椎間板ヘルニア患者の減少にはつながるとは思うのですが、地球上には重力がありその中で生活する上での椎間板と姿勢との関係を軽視してはいけないと思います。(MAIN:木津直昭)
| |  |