薬副作用で皮膚炎発症の「SJS(スティーブンス・ジョンソン症候群)」

風邪薬などの副作用で目や全身の皮膚が突然やけど状態になるスティーブンス・ジョンソン症候群(以下SJS)の調査が行われ、その結果、患者のうち約3割は発症して1週間以上過ぎてからSJSと確認されるなど発覚が遅れていたことが実態調査でわかったそうです。このためすぐに専門医の治療が受けられず、重い後遺症になる事例もあったということです。
そもそも薬の副作用で重い後遺症まで残すSJSとは、どのようなものなのでしょうか。SJSは「皮膚粘膜症候群」とも呼ばれます。初めは発熱とともに、目や口の粘膜や全身の皮膚にただれたような赤い発疹ができ、急速に数が増えます。視力が低下したり、呼吸器に重い障害が残るケースもあります。薬剤に対するアレルギー性の皮膚反応(過敏反応)とみられますが、詳細は不明であり、原因薬に推定されるとして厚生労働省に報告された医薬品の成分は1999年度までの3年間で259成分に上ります。発生頻度は100万人当たり年間1〜6人と低いですが、重症化して中毒性表皮壊死症(以下TEN)になると、死亡率は2〜3割にもなるのです。SJSとTENは同一カテゴリーの疾患とされ、最重症型薬疹に分類されていて急激な全身皮膚粘膜の炎症(やけど様)を呈し瀕死の重体になることが多いとされています。

特徴としては、以下のことがあげられます。
1.一般的な薬剤が原因となり、誰にでも発症する可能性がある。
2.発疹が重症化するか否か、初期の段階で診断する必要がある。
3.発症すると急激に悪化して全身症状に至る為、早期治療が必要。
4.死亡率が30%と非常に高い。
5.目や肺などに重い後遺症を残す恐れがある。

原因となったと考えられる薬は外来患者として病院などに処方されたケースが全体の3分の2を占めていましたが、市販薬で発症したとみられる患者もいました。しかし、医師が原因薬を特定したのは44.9%で半数以上はSJSと確認しながら原因薬はわからなかったということです。 これらの特徴を踏まえて、思いもよらぬ薬の副作用を回避するために重要なことは、まず薬の副作用に対する予備知識とリスクを認識すること、そして原因薬剤の使用中止、医療機関への早期受診、そこでの早期診断、早期治療が求められます。 そこで、簡単な目安となる初期症状を紹介しておきます。

感冒様の症状
初期の症状としては食欲不振、全身倦怠感、関節痛などの感冒様症状、続いて急激な発熱をもって発症し、発疹が現れてきます。発熱は、皮疹と同時に見られることが多く、また、気管支の後遺症が多いことから、喉の痛みが初期症状として発現することが推測されます。
皮膚粘膜の症状
初期の発疹は顔面、胸部、体幹などの上半身の皮疹で気づかれる例が多いが、逆に四肢や掌の皮疹からの者も散見されます。これらの皮疹の94%は3日以内に水泡化を見ています。粘膜疹は口腔粘膜・唇・ 眼 ・外陰・ 鼻孔・ 肛囲の順に多く、大部分が発疹と同時に出現、しています。 一部、 口唇・口内疹・口腔しびれ感・咽頭痛・眼所見・陰部などからの粘膜疹が初期症状として表れ皮膚に移行するケースが見受けられるということです。 目の症状
目の炎症を初期症状として経験することが多くあります。白目の充血や目脂、瞼のただれ等。また、まぶしさ、掻痒感、視力の低下などの自覚症状を呈すことがあります。
日本経済新聞記事(2003年2月25日)
スティーブンス・ジョンソン症候群患者の会 HPより一部抜粋



今回のレポートで強く感じたことは、まず薬には少なからず副作用がでる可能性があることを認識しておくべきです。ですから、普段から体調管理には気をつかい、できるだけ薬を使わない生活を心がけることが大切でしょう。やむを得ず薬を使用した場合、少しでも変調をきたしたら早急に医師の診断を受けましょう。それでも、良化せずに悪化した場合は直ちに皮膚科などの専門医の診断を受けてください。また、医師によって処方された薬に対して疑問を感じたら安易には使用せず説明を求め、場合によっては他の専門医に相談したりすることも必要でしょう。そしてもしSJSであるとわかったら、重症化を回避するために早期に適切な治療を受けてください。とにかく早めの処置が大切なのです。 このように薬の使用にはリスクが伴うこと、SJSは命にもかかわる疾患であるということを認識する必要があると思います。 最後に、国には市販薬を含めた医薬品の副作用被害に医療費などを給付する救済制度があります。また、推定原因医薬成分なども報告されています。詳しい情報を知りたい方は厚生労働省やスティーブンス・ジョンソン症候群患者の会までお問い合わせください。
担当 伊藤

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