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世界の医療情報、ネットで公開


海外へ赴任するビジネスマンや旅行者に現地の医療情報を知ってもらおうと、外務省はこのほど、在外公館の医務官が収集した医療情報の公開を同省のホームページで始めた。
各国の衛生事情から、信頼できる医療機関の連絡先まで具体的に紹介。マラリアなどにかかった旅行者が在外公館に助けを求めるケースなども後を絶たないといい、同省では「医務館が体を張って集めた生の情報を役立ててほしい」と呼び掛けている。
日本の在外公館に勤める医師は医務官と呼ばれ、職員らの健康管理のほか、任留邦人や旅行者からの相談、現地の医療情報の収集を担当する。現在、63カ国に70人が常駐。今回は手分けして世界83カ国の医療事情を執筆し、生活環境や医療レベル、必要な予防接種、頼りになる病院などを紹介した。現場を知る医務官だけに、アドバイスは具体的だ。例えばインドでは、年間約30,000人が狂犬病で死亡しているといい、「野犬だけでなく、リスや野良猫、他の野生動物にも近づかないで」と注意を喚起。夜光性の蚊が媒介するマラリアが死因のトップを占める西アフリカのガーナでは、「夜間外出時は長そで、長ズボンに防虫スプレーが必要。38度以上の発熱があればマラリアを疑い、病院で受診して」と呼び掛ける。
また、アフリカや中南米、アジアの一部地域では、輸出用血液の検査が不充分で手術の際にエイズウイルス(HIV)や肝炎に感染する危険があるとして、「輸血はさけるべきだ」(ホンジュラス)といったアドバイスも目立つ。
欧米先進国の米ニューヨーク周辺では「保険に加入していなければ、入院費は室料だけで一日2,000〜3,000ドル(24万〜36万円)」、英国では「公的医療機関で受診するには『家庭医』への登録が必要」などと、高額な医療費や日本と異なる医療制度の概要なども解説した。
病院を紹介するにあたっては、ペルーでは「内科には日系二世で日本語が堪能な医師がいます」、などの丁寧な注釈付き。中国の上海日本総領事館の古関比斗志医務官は「実際に足を運んで、『自分の家族を連れていってもいいか』を基準に選んだ」と話す。
外務省によると、1999年の出国者数は1,635万人。長期滞在者は52万人に上る。ガーナの赤堀英明医務官は「この前も細菌性肺炎の若い旅行者が緊急入院した。予防接種をしてくるなど十分な準備が必要だ」と語る。各国の欄には、医務官の名前や在外公館の連絡先も明記している。
日本経済新聞2001年8月21日より
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